電力

風力発電施設のカメラ監視

~設備の遠隔監視で安心安全な運用を実現~

<概要>

風力発電は、燃料を必要とせず、温室効果ガス等も発生しない、地球環境にやさしい再生可能エネルギーとして、近年注目されています。欧米諸国に比べると導入は遅れているものの、日本国内でも導入件数が増加しており、2019年12月末の時点で約2500基の風車が設置されているとも言われています。しかし、欧米等の海外と比較すると、日本国内の風力発電設備は、部品の故障や事故によるメンテナンスのための停止時間が長いため、海外の風力発電設備と比べて、稼働時間が短く、発電コストが高くなる傾向にあります。

<課題>メンテナンスコストと防犯対策

風力発電施設の設備は、落雷や劣化による機器故障や障害が発生しやすく、メンテナンスコストと稼働停止による損失が課題となってきました。

1、故障時に遠隔から状況を確認できない

風力発電施設の設備は、落雷や劣化により機器故障や障害が発生し、稼働が停止するケースがあります。特に SCADAと呼ばれる監視制御システムは、機器やセンサーから送られるデータを統合・管理するシステムであるため、SCADAが停止してしまうと回転軸の動作状況等を把握できなくなります。回転軸が正常に動作し続けているのか、あるいは復旧作業が必要なのかが分からず、まずは現場へ駆けつけての状況の確認作業が必要となります。すると、駆け付け等のメンテナンスのコストが増大し、停止時間が長期化することで収益性の低下につながります。

2、頻発する故障とかさむメンテナンスコスト

風力発電の設備は、屋外に長期間にわたって設置される精密機械であるため、ある程度の頻度で故障はどうしても起きてしまいます。また、落雷などの影響で電源供給が不安定になることも多く、予想外のシステム停止によりデータの破損等が発生し、メンテナンスのコストが増大してしまうことがあります。特に、風力発電の設備は海上や山間部などの僻地に設置され、かつ非常に高い箇所でのメンテナンスが求められるため、故障に対する対応コストが高額になる傾向にあります。

3、通信の不安定さ

風力発電所は海上や山間部等、モバイル回線の電波強度が弱い箇所に立地することが多くあります。このような場所でモバイル回線を活用したシステムを導入する場合、特にクラウドにデータを蓄積するような場合はデータ欠損のリスクも存在するため、ハードルが高くなっていました。

4、不審船等に対する防犯対策

特に海上に設置されている風力発電設備の場合、不審船監視等の目的から、昼夜を問わず設備周辺を映像で監視するなどの防犯対策を行い、システムを安定的に稼働させる必要があります。

<アムニモの解決方法>安定的な稼働と効率的なメンテナンスを実現

SCADAが故障しても遠隔監視できる仕組みとしてカメラを設置、防犯対策としても役立ちます。

1、故障時にも映像データを取得し、効率的な復旧作業

映像の遠隔監視システムを導入することで、監視制御システムであるSCADAが停止しても状況を確認できるようになります。例えば、ナセルと呼ばれる回転軸が格納されている箇所に監視カメラを設置し、遠隔から映像データを確認できるようにします。これにより回転軸が正常に動いているのかをSCADAが故障しても確認できるので、故障に対する対応の優先順位付けや、必要な部品や器具の調達を現場に人を派遣する前から行うことが可能で、効率的な復旧作業を実現できます。故障による停止時間を少しでも短くすることで、発電設備の稼働率が上がり、収益性の向上につながります。

2、屋外に設置できる高い耐環境性

屋外での利用にも耐えられる高い耐環境性を持つアムニモの製品であれば、故障の頻度を下げ、復旧作業を最小化することができます。また、万が一故障しても、自動復旧や、遠隔地からの復旧作業も可能であるため、最小限のメンテナンスコストで済みます。また、電源の供給が無くなってしまっても、内部に大容量キャパシタを搭載し、電源が落ちる前にメモリへのデータ書き込みを安全に終える設計になっているので、データの破損を防ぐことができます。

3、通信が不通でもエッジ側で録画映像を担保

アムニモの製品は、LTE回線の電波が弱いところでも、電波をきっちり拾うような工夫がされています。さらに、複数のSIMカードを搭載可能で、万が一、一つのキャリアの電波が不通となってしまっても、他キャリアのモバイル回線に自動で切り替え、通信障害を克服する機能も実装されています 。また、通信が遮断されてもデータは現場の装置に保存されているため、クラウドに全てのデータを貯めるシステムとは異なり、通信遮断によるデータ欠損の心配はありません。通信が復旧したタイミングで、あとから必要なデータや映像を遠隔地から取得することができます。

4、複数のマルチベンダーのカメラを利用可能

洋上の不審船を監視するためには、夜間の監視にも対応するため、サーマルカメラ等の活用が必要になってきます。ナセル内には通常の光学カメラ、防犯用途にはサーマルカメラという異なるカメラを設置するケースも想定されますが、アムニモの製品では異なる種類・ベンダーのカメラでも一括で録画し、データを閲覧することができます。

5、カメラ以外のデータも安定的に一括監視

アムニモの製品はカメラだけでなく、PLCなどの制御端末や記録端末と接続することもできます。そのため、カメラ以外の装置で取得された情報も遠隔地へ安定的に送信することができます。特に、現場へ赴いてのメンテナンスに多額のコストがかかる風力発電設備では、現場から離れた場所からでも状況を確認するため、いかに安定的なネットワーク環境を整備するかが重要になってきます。複数装置の組み合わせの場合、堅牢性に疑念が残ることも多いため、産業用の専用ネットワーク端末を活用することが、効率的なシステム運用を実現するカギとなります。

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