自治体

豊島区 防災危機管理カメラソリューション

操作が簡便化され、災害時の現地状況をリアルタイムで確認できる体制が整いました

— 豊島区総務部防災危機管理課 —
業界
自治体
製品
エッジゲートウェイ(屋外版)AG20 統合ビデオ管理システム
使用用途
災害時の迅速な状況把握と通学路の安全確保
課題
  • 平成27年度に導入した現行防災システムが老朽化し、保守期限切れや故障が増加している状況で、頻発する大規模災害への対応力強化が求められていました。また、災害情報を迅速・正確に収集し、適切な対応指示や多様な情報発信が必要とされていました。
導入の効果
  • アムニモのカメラソリューションの導入により、操作が簡便化され、災害時の現地状況をリアルタイムで確認できる体制が整いました。通学路や公共施設の監視強化により、区民や来街者の安全確保が向上し、平常時も防犯効果が高まりました。クラウド型での運用により、機器故障時の迅速な対応が可能となり、将来的な拡張性も確保されています。 以下は、概要として記載します。

概要:事業実施に至った経緯と背景

豊島区総務部防災危機管理課では、平成27年度に導入された総合防災システムの機器保守期限が切れ、故障が増加していたことから、システムの更新が必要とされていました。さらに、近年頻発する地震や風水害などの大規模災害に対して、区の対応力を強化し、区民や来街者の安全・安心を確保するために、防災システムの全面リプレイスが求められていました。

防災訓練の様子と災害対策本部

 

事業の目的

導入の目的は、災害時の迅速かつ正確な対応を可能にし、情報収集、意思決定、情報共有、情報発信の各機能を強化することです。これにより、区民や来街者の安全を確保し、災害時に誰一人取り残さない災害対応を実現することを目指しています。

 

アムニモシステム導入のきっかけと選定理由

防災危機管理課の井出氏は、従来の総合防災システムの課題として、操作の複雑さやカメラ映像の確認に手間がかかる点を挙げました。これにより、職員が操作に負担を感じる場面が多く、システムの刷新が必要だと考えるようになりました。特に捜査機関より情報提供依頼があると庁内環境にあるPCから画像をメディアに焼き出すのが非常に手間であったと述べています。「監視カメラと防災システムが一体である必要があるのか」という疑問が生じる中、公園緑地課で導入されていたアムニモのIoT防犯カメラの実例に触れ、その操作性やクラウドベースのシンプルさに注目。費用対効果とセキュリティ面も考慮した上で、アムニモのAG20をベースとした画像ソリューション導入を決定しました。

採用したアムニモのシステム

課題解決のポイント

使い勝手の悪さを解消

従来のシステムは、職員がカメラ映像を確認するまでに多くの手順が必要で、映像の切り出しに時間がかかっていました。これに対し、アムニモのシステムは、カメラ操作が簡単で、クラウドベースのセキュリティが担保されたシンプルな運用が可能となりました。

・システムの老朽化への対応 

システム機器の老朽化が進み、部品の調達が困難な状況に陥っていました。また、カメラや記録サーバーが故障し、録画できない状態が続いていたため、機器の刷新が急務となりました。

 

危機管理としての防災カメラの役割
防災システムのリプレイスと並行して、危機管理の観点から通学路の交差点11か所に防災カメラが設置されます。これにより、児童の安全確保が強化され、犯罪予防にも貢献します。防災カメラの映像は、災害時だけでなく平常時にも地域の安全管理に活用されます。

カメラソリューションの活用と将来展望

新システムは、平常時に警察や防災関係者との連携に活用され、救援センターに設置された高所カメラでは火災発生時の現地出動前に現状確認を行います。災害時にはモニターを通じて各地の被害状況をリアルタイムで把握し、迅速な対応が可能になります。また、今回設置される防災カメラは、通学路における児童の安全確保に寄与するとともに、災害発生時には現場の確認に利用されます。高所カメラはGISを活用した可視領域解析に基づき画角を決め、撮影範囲の重複を防ぐよう調整されています。さらに、システムはクラウドベースで構築されており、将来的にはカメラの拡張、APIによる他システムとの連携、画像AIの活用など、低コストで柔軟に対応できる設計となっています。

GIS(地理情報システム)の活用

火災発生時や災害時には、救援センター屋上に設置されたPTZカメラを遠隔操作しライブ映像を確認します。また、各カメラからは10分ごとにキャプチャ画像が自動配信されます。そのため、区内の木造密集地域を網羅できる撮影範囲と別のカメラ画像との重なりを避けるため、あらかじめGISの可視領域解析を基に各カメラの画角を事前に決定します。

上の図は、3D都市モデル(PLATAUE)を用いて池袋第三小学校の屋上に設置されたカメラの360度の可視領域(黄緑部)をマップ上で表示させています。右上の図は、各カメラから配信されるキャプチャ画像が極力重ならないように、各カメラの方位角を調整している様子です。この結果を基に現地でのカメラ画角を設定します。

注:PTZ(ピーティーゼット)カメラとは、カメラの首振りやズームなどの機能を遠隔操作で制御できるカメラのことです。

今後の見通し

今後の防災システムの更新では、クラウド版の導入により、システム機能の拡張や保守対応の迅速化が図られます。リース形態で導入する防災カメラはデバイス管理システムによる死活監視と遠隔でのトラベル解析・故障対応を可能としています。これにより、防災システム全体の運用が効率化され、災害対応力の大幅な強化が期待されています。

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