鉄道車両内防犯カメラソリューション
~遠隔地からでもリアルタイムに電車内の映像を閲覧~
<概要>鉄道車両の防犯カメラ設置義務化
2021年、鉄道車両内での事件を受け、国土交通省は車両の新造時や大規模改修時に、鉄道車両内に防犯カメラを設置することを義務化する方針を打ち出しました。鉄道車両内の事件防止を目的に、防犯カメラの導入を行うのは非常に有効な対策です。電車内の防犯カメラ設置が進んでいる地域もありますが、設置するだけではなく、通報装置や警備システムと組み合わせ、リアルタイムに映像を閲覧可能な防犯カメラシステムが近年、注目を集めています。こちらのサイトでは、防犯カメラを「犯罪抑止力」として設置するだけでなく、監視カメラの映像を元に、リアルタイムで迅速な対応を可能とする防犯カメラの活用例をご紹介します。
<課題>リアルタイムな映像監視や情報共有が難しい
車両が車庫に入ったタイミングでカメラ映像のデータを一括収集する運用で、リアルタイムでの映像閲覧が難しく、どの車両でどのようなトラブルが起きているのか、事態の把握に時間がかかることが課題となっていました。
1、非常時のカメラ映像閲覧に時間がかかる
車両が車庫に入ったタイミングでカメラ映像のデータを一括で収集する場合、事件・事故の後に動画をチェックする形でデータを活用していました。捜査や原因究明という観点では役立ちますが、リアルタイムでの映像閲覧はできないため、トラブル時の迅速な状況把握に役立てることはできません。
また、SDカードに映像を録画するケースでは、現場でしか閲覧することが出来ず、情報を本部や他拠点、警察などと共有するには時間がかかってしまうこともあります。
2、不安定な通信環境
遠隔地からでもリアルタイムで撮影されたデータを確認する場合、インターネットを活用した防犯カメラシステムが必要となります。鉄道車両に搭載するカメラの場合、有線でのインターネット接続は出来ないため、LTE回線などのモバイル通信が活用されるケースが多いです。しかし、電車内にモバイル通信型の防犯カメラを設置する場合、トンネル内や曲道で通信環境が不安定になります。そのため、モバイル回線を使って、映像データを常時録画するタイプのカメラシステムの場合、その期間の映像データが欠損してしまうリスクがあります。
3、モバイル回線への負担とコスト
モバイル回線を使って、映像データを常時クラウドに送信する、いわゆるクラウド型のカメラシステムが幅広い産業分野で普及が進んでいます。しかし、映像データを全て、モバイル通信網を使って送信すると、映像データは非常に容量の大きいデータであるという特性もあり、通信コストの増大や、通信帯域の混雑などのリスクが存在します。
<アムニモの解決方法>リアルタイムの車両映像監視によりトラブル時の迅速で適切な対応をサポート
通常時には定期的に送信されるサムネイル画像を、非常時にはリアルタイム映像を、多拠点から閲覧できます。必要な時に必要なデータを送信する仕組みで通信コスト削減や帯域混雑のリスク低減を実現します。また、非常通報ボタンと連携し、トラブルがあった車両の映像データをすぐに閲覧することも可能です。
1、運転室や中央指令室からリアルタイムで車両内の映像を閲覧
各車両で撮影された映像データを運転室からリアルタイムで閲覧可能です。これにより、トラブル時の迅速で適切な対応が可能となります。また、統合的なビデオ管理システムを活用することで、中央指令室など離れた場所から様々な列車の映像データを一つの画面を切り替えながら一覧で見ることも可能です。そのため、運行を管理する本部からでも事件や事故が起きた現場の映像データに簡単にアクセスできます。これにより、現場や本部、警察との連携もとりやすくなり、迅速な対応を行うことができるようになります。
2、不安定な通信環境でもデバイス内に確実に録画
クラウドに常時録画するカメラシステムとは異なり、映像データはエッジゲートウェイ内部のSSDに蓄積されます。そのため、通信環境に関わらず常時録画され、安心です。もちろん、LTE通信にも対応しているため、必要なデータは遠隔から閲覧できます。
3、必要なデータのみを送信し、通信コストや帯域の問題を回避
通常時にはサムネイル画像を送信し、非常時にはリクエストに応じたリアルタイム映像を配信するカメラシステムを構築できます。映像データを常に送信するのではなく、通常時はハードウェアに映像データを録画し、必要な映像のみインターネットを経由して遠隔地からリアルタイムでも閲覧可能な仕組みです。必要な時に必要なデータのみを送信する仕組みであるため、モバイル通信の通信量を最小限に抑え、通信コスト削減に貢献し、通信帯域混雑のリスクも低減します。さらに、映像はエッジに保存され一定期間経過すると消去されるため、プライバシーの問題も軽減されます。
なお、モバイル通信を利用する場合でも、閉域網やVPN、P2P通信などの技術を活用するため、安全なネットワーク環境に防犯カメラを接続することが可能です。
4、非常停止ボタンなどと連携可能
非常通報ボタンなどの機械警備信号と連動して、事件や事故が起きた場所の映像を自動で転送するなど、トラブルが起きた場所の映像を簡単にリアルタイムで確認することが可能です。そのため、非常事態においても正確で迅速な状況把握ができるようになり、素早い対応が可能となります。
5、スマートな検索機能で見たい映像をすぐに閲覧
事件の後に必要な映像を閲覧する際でも、動体検知やアラート情報の履歴などを元に、欲しい瞬間の映像データをすぐに検索できます。
6、既存設備との連携と今後の拡張性
既存の機械警備システムとの連携や、既存のネットワークカメラとの接続、カスタムアプリの搭載なども可能で、お客様の利用シーンに合わせたカスタマイズが可能です。さらに、アムニモではAI処理のための専用プロセッサを搭載する製品の開発を進めています。
アムニモエッジゲートウェイAG10の適合鉄道規格
アムニモのエッジゲートウェイAG10が適合している鉄道規格は下記の通りです。
- 鉄道信号保安部品 振動試験方法 JIS E 3014 2種
- 鉄道車両用品 振動及び衝撃試験方法 JIS E 4031
これらの日本工業規格は、鉄道車両や鉄道信号保安装置で通常発生する振動環境や衝撃環境条件に用品が耐える能力を証明することを目的としています。