堅牢性に優れた
高機能な産業用LTEゲートウェイ

エッジゲートウェイ(屋内版)

IoTゲートウェイとはどんなもの?IoTゲートウェイの概要、役割、比較ポイント

「モノ」と「インターネット」が接続されるIoT(Internet of Things)は、近年急速に普及が進み、産業用から家庭用までさまざまな用途に活用されています。IoTは幾つかの要素で構成され、IoTゲートウェイもその1つです。IoTゲートウェイを用いることで、モノとインターネットが接続されて、相互にデータをやり取りすることができるようになります。

本記事では、IoTゲートウェイの概要を説明するとともに、その役割や導入の際に比較するポイントなどについて解説します。

IoTゲートウェイとは

モノとインターネットが接続されるIoTには、必要な要素が幾つかあります。主な特徴を3つ紹介します。


1.データの取得、フィードバックをおこなう、センサーやカメラ、IT端末などで構成されるデバイス
2.データの蓄積や解析をおこなうクラウドサービスとの連携
3.ネットワークを介してデバイスとクラウドとのデータのやり取りをおこなうIoT用通信機


装置に取り付けられたセンサーや、状況を見る監視カメラ、入出力用のIT端末などのデバイスは、さまざまなデータを取得します。取得されたデータは、ネットワーク(インターネット)に接続されたIoT用通信機を介してクラウドへ送信、蓄積されます。蓄積されたデータは、そのまま活用されるか、AIなどを活用して解析。解析結果や指令がデバイスへ返されます。返ってきた解析結果や指令はIoT用通信機を介してデバイスへ送られ、デバイスはそれに従って情報を表示したり、モノが動作したりするなどの、何らかのフィードバックがおこなわれます。

従来はデバイスからのデータ収集や、コンピュータへの入力などは人の手によりおこない、フィードバックも人が行う方法がとられていました。IoTでは、モノとインターネットが接続されることで、データの収集もフィードバックも、24時間体制で自動的におこなわれます。モノから直接データが得られるので、膨大なデータをリアルタイムで集めることが可能です。膨大なデータをAIで分析すれば、今まで見えなかったものが見えるようになるかもしれません。また、インターネットを介して収集するので、遠隔地からでもデータを得ることができます。逆に遠隔地にあるデバイスに指令を出すことも可能です。

IoTは、エアコン、冷蔵庫、オーディオといった家庭用のものから、自動車や製造装置といった産業用まで、既に多くのもので利用されています。IoTによりインターネットにつながるデバイスは、2021年の時点で、既に数百億個を超えているとも言われ、今後もその数は指数関数的に増加していくことが予想されています。

IoTゲートウェイの役割

IoT用通信機の中でも、デバイスで生成されたデータについて何らかの処理や加工を行なったうえでクラウドに送信する機能を持ったものをIoTゲートウェイと呼ぶことが一般的です。IoTゲートウェイは、ネットワークを介してデバイスとクラウドとの間で、データのやり取りをおこなう際に、よりデバイスに近い場所で利用されるので、エッジゲートウェイとも言われます。

センサーやカメラなどのデバイスは、通常インターネットに直接接続する機能を搭載しておらず、そのままではデータを送ることができません。そのような機能を搭載すると、デバイスのサイズが大きくなったり、消費電力が増えたりするので、モノに対して簡単に取り付けることが難しくなります。また、IoTデバイスは、使用する数も多いので、全てにインターネットへの接続機能を搭載すると、コストが増大します。また、それぞれ個別に通信をおこなうので、特に画像などの大容量データは、ネットワークに流れる情報量も膨大になり、クラウド側に大きな負荷がかかります。

このような事態を避けるため、IoTゲートウェイが用いられます。IoTゲートウェイは、デバイスが取得したデータを収集し、送信先を振り分けてクラウドへ送ります。逆に、クラウドから送られてきたデータや指令は、IoTゲートウェイを経由してデバイスへ送られます。このように、IoTゲートウェイで中継することで、デバイスは接続機能を持たなくても、インターネットとデータをやりとりできるようになるのです。

加えて、IoTゲートウェイは、データのやりとりだけでなく、デバイスの制御や稼働状況の管理などもおこなっています。これにより、デバイスは単にデータを取得するだけでなく、何らかの動作や、情報を発することが出来るようになります。遠隔地から複数のデバイスを操作することや、正しく機能しているか確認することも可能です。他にも、IoTゲートウェイは、電力の供給をおこなっていることもあります。例えば、電源をとることが難しい場所に設置された監視カメラのようなデバイスに対し、PoE(Power over Ethernet)により電力を供給するような場合です。さらに、IoTゲートウェイ自体が、データを蓄積し、ある程度の処理を行い、各デバイスへ返す場合もあります。

IoTゲートウェイと同じように、デバイスをインターネットへ接続するものにルーターがあります。ルーターは、データの送信先を決めて振り分ける機能を持つ装置です。IoTゲートウェイにも同様の機能はありますが、他の機能もあり、より広い意味で、ネットワークを中継する機器をゲートウェイと呼んでいます。

IoTゲートウェイの比較ポイント

これからIoTゲートウェイを導入しようと検討する際、比較するポイントが幾つかあります。処理速度の速さや、対応している通信規格の多さ、デバイスを接続できるポート数、接続インターフェースの種類が多いことなどは、使用する環境や、構築するシステムに合わせて選択する必要があります。

特に産業用として導入する場合は、一般的な装置にはない点も考慮にいれなくてはいけません。産業用で使用する場合、設置される場所は、高温高湿であったり、電磁波による障害が多い場所であったり、過酷な環境であることが多いです。耐熱性、耐衝撃性、耐電性に優れ、防湿処理されていることが望ましく、高い堅牢性がIoTゲートウェイに求められます。このような過酷な環境で利用を続ける場合、CPUがフリーズしてしまうこともあるためIoTゲートウェイではCPUのフリーズ時を自己診断にて検知してリブート等にて自律的に回復することが求められます。

また、工場などの生産現場の事例では、電源が急に不安定になり、瞬間的に停電がおこる場合もあります。外部からの電源断によりシャットダウンの手順を踏まずに切断されると電源回復時に正常に再立ち上げが行なわれないようなOSを使用しているものは産業用IoTの用途には適していません。設置される場所で利用可能な電源に対応しており、電源電圧の変動やノイズへの耐性が高く、また停電がおこっても回復後は影響なく動作を続けられるようなIoTゲートウェイを選択することが、システムの安定した運用につながります。

ほかにも、LTEなどの通信機能がダウンしてデータの送信が途絶える場合も考えられます。災害監視用の防犯カメラからの映像のような、緊急性を要するデータのやり取りをおこなうIoTゲートウェイにおいて、このようなことが起きるのは大きな問題です。1つの通信機能がダウンしても、別の通信手段に高速で切替られる仕組みがあれば、このような通信障害を克服できます。

まとめ

IoTゲートウェイは、エッジコンピューティングを実現するためには欠かせない存在です。開発するシステムに合わせて機能を選択し、設計していくことが求められます。それにより、今まで人がやっていた膨大な作業を自動化して快適にすることや、遠隔地からの監視などをスムーズにおこなうことが出来るようになります。特に、産業用としてIoTゲートウェイを活用する場合には、産業用向けの機能を備えたものを選択することが、安定した操業のためにもとても重要です。目的、環境にあった装置を選び、より効率のよいシステムを構築してください。