アムニモ株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:中林千晴、以下アムニモ)は、IoT機器等に実装されるLTE通信用の通信モジュールのプロセッサにVPN対応のルーター機能を実装する新技術を開発しました。
今回開発した技術を用いることにより、さまざまなタイプのIoTデバイスを通信モジュールのCPUのみで動作させることを可能とし、小型で安価なデバイスの開発を容易に実現できるようになります。また産業用機器に通信モジュールを組み込む際にも、産業用機器側に通信を制御するプログラムの開発を行なうことなく、簡易な実装での組み込みを可能とします。
アムニモが今回開発する技術は、今までは通信モジュールとは別に搭載されたプロセッサに実装されることが多かったルーター機能や周辺機器インターフェースを制御する機能を、通信モジュール側に実装することにより、他のCPUを搭載することなくIoTデバイスとして必要な機能を実現することを可能とするものです。この技術を用いることにより、Ethernetポートやシリアル通信、DI/DOポートやアナログI/Oポートなど、さまざまな周辺機器向けインターフェースを実装したIoTデバイスを、より小型で安価に製造することが可能になります。
アムニモでは、このようなシンプルな構成のIoTデバイスの第一弾として、Ethernetのインターフェースを実装したコンパクトルーターの開発を開始しました。
この装置にはアムニモが持つ独自技術である電源バックアップ機構や複数SIMカードの切替制御の機能も実装されており、高い信頼性での運用を可能とする小型で安価な産業用ルーターとして提供する予定です。発売は2022年上半期を予定しています。さまざまな産業機器と接続して遠隔監視が可能となるほか、既存の3G通信端末や、ISDN通信端末との置き換えにも適した装置となっています。
電源パックアップ機構を搭載することで、外部電源が遮断された後も数十秒間動作をし続けることができます。書き込み中の処理を完了することによりメモリーのクラッシュを抑制するほか、保守者への通知により障害の原因調査の迅速な対応を可能とします。
複数SIMカードを搭載することが可能であり、通信キャリアの障害時にネットワークを切り替えて短時間で通信を復旧することができます。
内蔵アンテナを実装しており、外部にアンテナを装着しなくてもLTE通信を利用することが可能です。(外付けアンテナ用の同軸コネクタも装着されています)
複数の拠点間のネットワーク構築を、VPN接続を安全性の高いIPsecで実現できます。
メモリーのエラーに対して強い耐久性を持っています。
アムニモが提供するクラウドサービスであるデバイス管理システムとの連携により、保守運用に関するさまざまな作業をクラウド経由で実施することができるため、運用者の負担を大幅に軽減することができます。例えば、フィールドへの設置後のファームウェア更新や設定内容の変更、トラブル解析のためのログ収集、故障交換のためのデータの引継ぎ等の作業をクラウド経由で実施することが可能になります。
・LTE通信:カテゴリー4(上り最大50Mbps, 下り最大150Mbps)
・内蔵LTEアンテナ
・Ethernetポート:RJ45コネクタ、10/100BASE-TX対応1ポート
・VPN機能 (IPSec)
・電源バックアップ
・SIMカードスロット:MicroSIMカード用スロットx2
・大きさ:126x66x28㎜
・重量:120g
・動作温度:-20~60℃
アムニモでは、今回開発するデバイス設計をベースとして、今後、周辺機器向けインターフェースとしてシリアル通信ポートを実装したデバイスやDI/DOポートを実装したデバイスなど、お客さまの要望に応えたカスタム対応も予定しています。
また、この技術を実装した通信モジュールを、産業用機器への組み込み用途でも、2022年度中に提供する予定です。従来、産業用機器にLTE用通信モジュールを組み込む場合、通信の起動に関する制御を実装することが必要であり、エラー発生時の処理も含めてきわめて複雑な処理を実装する必要がありました。アムニモが提供する通信モジュールはこれらの機能がモジュール側に実装されていることから、産業用機器側での制御機能の開発工数を大幅に低減することが可能となります。
アムニモ株式会社は、さまざまなタイプのIoTデバイスとユーザの業務プロセスを効率化するクラウドサービスを提供することにより、IoTによってつながる世界の実現を目指します。
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