自治体における防犯カメラの運用を効率化するには?

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地域の治安維持や防災などの目的で、自治体が防犯カメラを運用するケースは珍しくありません。しかし、カメラの稼働確認やデータの取り出しなど、実際に運用するにあたっては課題があります。本記事では、こうした課題を解決し、防犯カメラの映像管理や稼働監視を効率化するソリューションをご紹介します。

自治体における防犯カメラの活用シーン

自治体における防犯カメラは、商店街を含む街頭や学校、公園、駐輪場、道路、河川など様々な場所に設置されており、防犯や見守り、違法な駐車・駐輪や不法投棄といった行為への対応、防災・減災といった目的に活用されていますが、設置場所ごとに自治体内で管理する部署が異なる場合もあります。防犯カメラの運用を担当する主な部署としては、危機管理課、公園管理課、生活安全課、地域振興課、土木課などがあります。

さらに、防犯カメラの設置や運用は、自治体が主体となって行うこともあれば、町内会、商店会、学校PTAなどの地域団体が自治体に補助金・助成金を申請し、その資金をもとに地域団体主体で行う場合もあります。

このように、自治体において様々な場所で防犯カメラが使われていますが、運用に関して問題点を抱えていることがよくあります。

自治体における防犯カメラのよくある運用問題

①:カメラの稼働確認が難しい(遠隔で確認できない)

自治体で主に導入されいてる防犯カメラは接続されておらず、また録画データは本体に装着されたSDカードに保存されているカメラであることがほとんどです。これらのカメラは、様々な場所に複数台設置されており、稼働しているか確認するためには各設置現場に向かわなければなりません。そのため、時間や人的コストがかかるなど効率面での課題があります。

②:録画データの取り出しに時間がかかる

防犯カメラに装着されたSDカードを取り出す際には、設置場所によっては高所作業が必要なこと、さらに屋外仕様のカメラの場合はカメラ自体が堅牢に作られているため、カメラ内部にあるSDカードの取り出しが大変なことも多々あります。

また、故障で停止するなどのトラブル発生時以外は長時間を1つの動画ファイルとして保存していることも多いため、その中から一部の必要な時間帯のみの動画データを特定して取り出す際に時間がかかることもあります。

③:クラウド型のシステムは導入しづらい

通信費や有線回線の敷設工事によってコストが高くなりやすいため、導入に踏み切れないことがよくあります。また、自治体では、セキュリティの観点から不正アクセスのリスクがあるクラウド型システムを利用するハードルが高いことも課題です。

自治体が抱える防犯カメラの運用問題解決策

自治体における防犯カメラの運用には以上のような問題がありますが、以下ではそうした運用問題を解決できるサービスについてご紹介します。

映像管理・稼働監視が簡単

アムニモが提供するエッジゲートウェイにカメラを接続して現地に設置することにより、カメラの映像はエッジゲートウェイに実装されたSSDに録画することが可能になります。さらにアムニモ独自のクラウドを活用した映像管理システム(VMS)である「統合ビデオ管理システム」は、複数の離れた場所に設置されたカメラの映像を統合的に管理できるようになり、「エッジゲートウェイ」のSSDに録画された映像から必要な日時の映像を取り出すことやライブの映像を閲覧することなどを可能とします。また、モーション検知機能などを使って、事案発生時の映像をクラウドに自動的にアップロードすることも可能で、問題があった際の映像を自動的に取得することが可能になります。

稼働監視は、アムニモのクラウドサービスである「デバイス管理システム」にて実現され、カメラや通信装置などの現地側装置の状態を管理することが可能になります。

これらの機能により、稼働確認における効率の悪さや録画データの取り出しの課題を解消できることと、モーション検知や稼働状態をアラート通知することも可能です。

手段として録画データを一定期間保存し、必要な録画データのみをクラウド上に送信できるため、モバイル通信費用を節約できます。これにより、クラウド型システムのネックであるコストの高さという問題を解消し、防犯センターや現場の従業員端末で効率的に運用することが可能となります。

次章では、実際にアムニモの「映像ソリューション」を活用して問題を解決した事例をご紹介します。

映像ソリューション導入事例「豊島区」

導入前の課題

豊島区では2018年から、防犯カメラを38の公園に設置しました。しかし、既存の防犯カメラはSDカード録画仕様であり、データの確認作業に時間がかかる上、遠隔でのカメラ稼働確認も不可能な状態であったため、警察から情報を求められた際の動画資料提供にも時間がかかっていました。

課題解決策としてアムニモの映像ソリューションを検討

こうした課題の解決策として、アムニモ独自のVMSである統合ビデオ管理システムと、デバイス管理システム、エッジゲートウェイ(屋外版)AG20を用いたIoT防犯カメラシステムの導入を検討しました。このシステムでは、クラウドに接続することで、遠隔地からでも防犯カメラの映像を簡単に確認できます。また、AG20は、内蔵されたSSDに保存された録画データからモーション検知などの設定をトリガーにして、必要なデータだけを自動的にクラウドにアップロードするため、録画データの確認作業を大幅に効率化することができます。

セキュリティ面やユーザビリティ面を高く評価し、導入を決定

自治体においてクラウドを活用したシステムを新規導入する際、その予算化には様々な調整が必要です。豊島区では予算化まで多くのプロセスを経て、アムニモの映像ソリューションのセキュリティ面やユーザビリティ面を高く評価され、今回導入を決定されました。

導入の効果

これらのシステムの導入により、映像をクラウド上で統合監視し、遠隔で確認作業ができるようになったため、現地へ確認に出向く作業負担を軽減でき、業務効率が向上しました。今後、区内の全公園の防犯カメラに適用した場合、警察への動画資料提供までの時間を年間約300時間削減できる見込みとなっています。また、AG20により、防犯カメラの稼働状況を遠隔で確認できるようになったため、防犯カメラの運用効率も向上しました。

「豊島区」での導入事例については、以下で詳細を解説しています。

次章では、豊島区が問題を解決できたサービスについてご紹介します。

自治体の防犯カメラに適した「映像ソリューション」

アムニモの「映像ソリューション」では、柔軟で即時性の高い映像管理で安心・安全を提供し、メンテナンスの手間とコスト、また防犯カメラの初期コストと運用コストを削減しつつ、運用性に優れた防犯カメラシステムを構築可能です。

大きな特長として、映像をいつでも・どこからでも統合管理し業務効率化を実現するハイブリッドなシステムを実現している点や、モバイル回線(無線)を活用することで設置場所の回線工事が不要な点も挙げられます。

防犯カメラ・監視カメラは「設置・録画する時代」から「映像データを活用する時代」へ

私達の暮らしの様々な場所で利用されている防犯カメラ・監視カメラですが、抑止力として設置する時代から、映像データを活用する時代へとステージが変わってきています。

その背景には、カメラ性能(目)、インターネット・クラウド・無線通信技術(神経)、AIによる画像解析技術(脳)の飛躍的な向上があります。

アムニモは、過酷な環境にも耐え得るIoTゲートウェイ/ルーターと、IoT及びカメラ運用に最適なクラウドサービスを組み合わせた映像ソリューションを、24時間265日、止まることが許されないカメラ運用を行う様々な業種の現場にご提供しています。

「欲しい映像を欲しい時に、欲しい人がリアルタイムで見られるカメラシステム」、「AI画像解析や他システムとの連携もできるカメラシステム」をお考えのお客様にとって、アムニモは最適な選択肢になります。

アムニモの映像ソリューションについてご興味のある方は以下をご覧ください。また、ご相談につきましては「お問い合わせ」よりご連絡ください。

 
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アムニモ株式会社は、横河電機のグループ会社です。
高い信頼性と運用性に優れた自社開発のIoTデバイスとクラウドサービスを組み合わせ、先進の映像・IoT・AIソリューションの提供を通じ、IoTとAIでつながる世界に貢献していきます。コラムにて定期的にお役立ち情報をお届けします。

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