水位計・導入事例 #01
2017年の西日本豪雨では多くのため池が決壊し、小規模なため池でも甚大な被害が生じました。2018年には農林水産省は新たな「防災重点ため池」の選定基準を設け、全国約6万か所に水位計を導入する方針を打ち出しました。
広島県では、2019年からため池の状況を離れた場所で確認できる遠隔監視システムのモデル事業(※)が行われ、パシフィックコンサルタンツ株式会社様が広島県から受注したこのモデル事業に、アムニモの「簡易無線水位計測サービス」が試験的に導入されました。
※広島県内の計10か所のため池に、試験的に水位計やカメラを取り付け、2020年3月まで効果や課題を検証する事業。
ため池の安全性を確保するための大きな課題となっていたのが「ため池の管理」でした。広島県では多くが山の中にあり、急な山道を登らないとたどり着けないため池も少なくありません。大雨が降ったときなどは管理者が水位の確認をしていましたが、見回りに行くのは簡単ではありませんでした。
広島県では「防災重点ため池」に選定されたため池の監視体制を強化しました。山の中などたどり着くのが難しいため池には監視カメラと水位計を取り付け、水位やカメラの映像は、ため池の管理者や自治会の役員などが、離れた場所からでもパソコンなどで確認できるようにしました。上流で何かあれば、必ず水位があがるので、その確認が遠隔でできるようになり、早めの避難行動につなげることができました。また、水位を確認するための見回りが必要なくなり危険性を回避することもできました。