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  5. IoT機器でも使われ始めたUbuntuの最新事情
    ~効率的なカスタムアプリ開発・運用を支えるLinuxディストリビューション~

IoT機器でも使われ始めたUbuntuの最新事情
~効率的なカスタムアプリ開発・運用を支えるLinuxディストリビューション~

IoT機器でも使われ始めたUbuntuの最新事情<br>~効率的なカスタムアプリ開発・運用を支えるLinuxディストリビューション~

Linuxのディストリビューションとは

Linuxカーネルは、コンピュータのハードウェアとアプリケーションソフトウェアを仲介する重要なソフトウェアです。アプリケーションを動作させるためには、Linuxカーネルのほかに各種ライブラリなどのソフトウェアも必要です。Linuxのディストリビューションは、Linuxカーネルおよび必要なソフトウェアを組み合わせ、OSとしてまとめて提供するものです。

特定のディストリビューションを使うと、以下のようなメリットがあります:

・互換性の確保:ディストリビューションごとにソフトウェアのバージョンが統一されているため、アプリケーションが動作する環境が安定します。

・簡単なインストールと管理:パッケージ管理システムを使って、必要なソフトウェアを簡単にインストール・更新できます。

・サポートとコミュニティ:多くのディストリビューションには活発なユーザーコミュニティがあり、問題が発生したときに助けを得やすいです。

・セキュリティの向上:ディストリビューションは定期的にセキュリティアップデートを提供するため、システムを安全に保つことができます。

これらのメリットにより、必要なソフトウェアやそのバージョンを気にせずにアプリを開発できるのがディストリビューションの大きな利点です。

市場で使われている主なディストリビューション

Linuxは、高性能なCPUを搭載するサーバーマシンから、低機能な組込み用機器まで幅広く使用されていますが、組込み用機器においては本コラムで取り上げるUbuntuや、UbuntuのもととなったDebian、Red Hat系のFedoraなどが広く使用されています。

〇主なディストリビューションの概要

ディストリビューション名概要
Ubuntuユーザーフレンドリーな設計が特長で初心者から上級者まで幅広く利用可能多くのドライバやアプリケーションが標準でサポートされており、インストール直後から快適に使用できるLTSは5年間のセキュリティ更新やバグ修正が保証対応される
Debian安定性と堅牢性に優れる完全にオープンソースで構成され、自由ソフトウェアの理念を重視豊富なパッケージとAPTによる効率的な管理が特長
Red Hat Enterprise Linux(RHEL)商用サポートと高い安定性を提供するエンタープライズ向けLinuxディストリビューションセキュリティ、性能、信頼性に優れる大規模環境での運用にも適していて企業のサーバーや業務システムで広く利用されている
FedoraRed Hatが支援するコミュニティ主導のLinuxディストリビューション最新技術の導入と先進的な機能が特長リリースサイクルが速く開発者や技術志向のユーザーに適する

Ubuntuの特長とメリット

Ubuntuは、ユーザーフレンドリーな設計が特長で初心者から上級者まで幅広く利用でき、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)が直感的で使いやすいため、WindowsやmacOSからの移行もスムーズに行えます。多くのドライバやアプリケーションが標準でサポートされており、インストール直後から快適に使用できる点も魅力です。また、ソフトウェアのインストールや更新が簡単で、専用の「Ubuntu Software」からワンクリックで導入が可能です。さらに、LTS(長期サポート)版では最大5年間のセキュリティアップデートが提供されるため、業務用途やサーバー運用にも安心して利用できます。無料でありながら商用レベルの安定性を備えており、グローバルなコミュニティによる活発なサポートも強みです。

またUbuntuは、x86系CPU(IntelやAMD)やARMなど複数のアーキテクチャに対応しており、どのアーキテクチャ環境でも同等の機能や操作性を提供します。これにより、PCからサーバー、組み込み機器やIoTデバイスまで幅広い用途に柔軟に対応できるのが特長です。

アプリケーションの開発については、Ubuntuは世界中に多くの開発者に利用されており、活発な開発者コミュニティが形成されています。開発ツールやライブラリが豊富に用意され、公式・非公式のドキュメントやサポート情報も充実しています。そのため、開発環境の構築が容易で、トラブル対応や情報収集もスムーズに行える点が大きな特長です。

組込み機器におけるLinuxの実装について

組込み機器におけるLinux実装の実態について

組み込み機器で使用される代表的なディストリビューションにはUbuntu以外にもいくつかの種類があります。それぞれの特徴を以下に説明します。

1. Yocto Project

Yocto Projectは、組み込みLinuxディストリビューションを作成するためのオープンソースプロジェクトです。以下の特徴があります:

– カスタマイズ性: Yoctoは、特定のハードウェアやソフトウェア要件に合わせてLinuxディストリビューションをカスタマイズすることができます。

– レシピベース: ソフトウェアパッケージのビルドプロセスを定義する「レシピ」を使用して、パッケージの依存関係やビルド手順を管理します。

– メタデータ管理: メタデータを使用して、ビルドプロセスを効率的に管理し、再現性のあるビルドを実現します。

2. OpenWrt

OpenWrtは、主にネットワーク機器向けの組み込みLinuxディストリビューションです。以下の特徴があります:

– パッケージ管理: opkgパッケージ管理システムを使用して、ソフトウェアのインストールや更新を簡単に行えます。

– ネットワーク機能: 高度なネットワーク機能を提供し、ルーターやアクセスポイントなどのネットワーク機器に最適です。

– コミュニティサポート: 活発なコミュニティによって開発が進められており、豊富なドキュメントとサポートが利用できます。

これらのLinux環境は、それぞれ異なる用途や特徴を持っており、組み込み機器の要件に応じて選択されます。どの環境が最適かは、具体的なプロジェクトのニーズやハードウェアの特性によって異なります。しかしどちらの組み込みLinuxディストリビューションも、エンドユーザーがアプリケーションを開発したり、開発したアプリケーションをパッケージ管理できるようにしたりする作業は、一般に使用されているディストリビューションに比較すると容易ではありません。

組込み機器にUbuntuを使用することのメリット

それでは組込み機器にUbuntuを使用する場合にはどのようなメリットがあるでしょうか。本章では想定されるメリットを紹介します。

1. 豊富なパッケージとソフトウェアサポート

   – Ubuntuは、豊富なパッケージとソフトウェアリポジトリを持っています。これにより、必要なソフトウェアを簡単にインストールすることができます。

2. ユーザーフレンドリーな環境

   – Ubuntuは広く使用されており、ユーザーフレンドリーなインターフェースと豊富なドキュメントが提供されています。これにより、開発者やエンドユーザーがシステムを扱いやすくなります。

3. コミュニティとサポート

   – Ubuntuは大規模なユーザーコミュニティを持っており、フォーラムやオンラインリソースを通じてサポートを受けることができます。

4. 長期サポート(LTS)バージョン

   – Ubuntuは長期サポート(LTS)バージョンを提供しており、これにより5年間のセキュリティアップデートとメンテナンスが保証されます。組み込みシステムにおいても、安定した環境を長期間維持することができます。

Ubuntu用に作成されたカスタムアプリを実行可能な堅牢なエッジデバイスについて

アムニモ株式会社は、これまでに発売してきたゲートウェイ装置において、OSとしてUbuntuを採用しています。これにより、利用者はUbuntu上でカスタムアプリを動作させることが可能となり、エッジコンピューターとして自社開発のアプリケーションを動かしながら、様々なIoTシステムを構築することができます。

アムニモのデバイスは、広い動作温度範囲と優れた耐環境性能を持ち、外部電源が切断された際にもデバイス内に蓄積された電力でしばらく動作を続け、段階的に機能を停止することで故障の発生を緩和します。また、主要なパーツやOSに対してはWatchdog機能が搭載されており、動作監視を行いますい。異常が検知されると自動的にリブートが行われるため、人手を介さずに長期運用が可能です。

以下はアムニモが販売するUbuntuを採用したゲートウェイ装置です。

●センサー接続ゲートウェイAX30

AX30は、アナログ入力(4-20mA)やパルス入力など多彩なセンサーを接続できるインターフェースを持ち、Ubuntu上でカスタムアプリを実装してセンサーからの入力の処理等を実行することが可能なデバイスです。また画像に対するAI処理を高速で実行することが可能なAIアクセラレーターを搭載しており、これらの機能を用いて設備や機器の遠隔運用を可能とするゲートウェイ装置です。

AX30の製品ページはこちら

●エッジゲートウェイAG10/AG20

エッジゲートウェイAG10/AG20は、PoEによる電力供給可能なポートを4ポート持っていて、録画を保存できるSSDを実装していることからIPカメラとの連携による映像ソリューションの構築に最適な装置です。またUbuntu上にカスタムアプリを実装することが可能で幅広い温度範囲で安定して動作するエッジコンピューティング用デバイスとしても利用可能です。なおAG20は防塵防水で雷対策も実装されている屋外に設置可能な装置となっています。

AG10の製品ページはこちら

AG20の製品ページはこちら

●AIエッジゲートウェイAX11/AX21

AIエッジゲートウェイAX11/AX21は、画像を対象としたAI処理を高速に実行可能なAIアクセラレーターを搭載していて、Ubuntu上に開発されたカスタムアプリからAI処理を実行することが可能です。またPoEによる電力供給、映像データを保存できるSSDを実装しており、AIと映像を連携するソリューションの構築に最適な装置です。なおAX21は防塵防水で雷対策も実装されている屋外に設置可能な装置となっています。

AX11の製品ページはこちら

AX21の製品ページはこちら

アムニモ株式会社

アムニモ株式会社は、横河電機のグループ会社です。
高い信頼性と運用性に優れた自社開発のIoTデバイスとクラウドサービスを組み合わせ、先進の映像・IoT・AIソリューションの提供を通じ、IoTとAIでつながる世界に貢献していきます。コラムにて定期的にお役立ち情報をお届けします。

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