屋外IoT機器における結露問題とその対策
屋外に設置されたIoT機器が抱える大きな課題の一つが「結露」です。結露は、水蒸気を含んだ空気が冷却されることにより、水滴が発生する現象です。屋外で使用されるIoT機器においては、この現象が故障や性能低下を引き起こす原因となります。具体的には、防水機能を備えた筐体内に入り込んだ水分が水蒸気に変わり、温度が低下した際に機器内部で水滴が発生し、これが問題となります。
結露が発生するメカニズム
結露(けつろ)とは、空気中の水蒸気が冷たい物体の表面に触れた際に、温度が下がることで水蒸気が液体に変化する現象です。
結露が発生するためには、次の条件が必要です:
1.空気中に水蒸気が含まれていること:
湿度が高いと、空気中の水蒸気が多くなります。
2.冷たい表面:
冷たい窓ガラスや壁などに触れると、その温度が水蒸気を液体に変化させる原因になります。
3.露点温度に達すること:
空気の温度が下がると、空気中の水蒸気が飽和状態になり、これ以上水蒸気を保持できなくなり、結露が発生します。
例えば、冬に暖房を入れた部屋で外気が冷たいと、窓ガラスなどが冷たくなり、その表面に空気中の水蒸気が結露して水滴になります。これは、窓ガラスの温度が露点に達したためです。
屋外設置のIoT機器に必要となる結露対策
多くのIoT機器は、屋外に設置する際には防水ボックス内に機器を収納します。一般的な防水規格としてIP65やIP66が採用され、これにより一定の防水性が確保されます。しかし、この防水性能は「水をかけた際の防水性」を示すものであり、長時間表面に水滴が残る状況などでは完全な防水を保証するものではありません。
特に屋外で長期間運用する場合、温度変化が大きく、湿気が入り込むリスクが高くなります。気温が下がると、防水ボックス内に設置されたIoT機器の内部に結露が発生し、結果的に機器に不具合を引き起こす可能性があるのです。したがって、IP規格で定められた防水性能だけでは、完全な結露対策には不十分と言えます。
結露が引き起こす問題
IoT機器において機器の内部に結露が発生してしまうと、そのIoT機器には以下のような影響が生じます。
1.動作不良:
内部に水滴が発生すると、回路やセンサーに影響を及ぼし、機器の動作が不安定になることがあります。
2.錆や腐食による故障:
水分が内部に残ることで、回路基板や金属部品が錆びたり腐食したりし、長期間使用すると機器の故障につながる可能性があります。
アムニモの結露対策
アムニモが提供する屋外用IoT機器は、IP65やIP66の防水性が確保されているだけでなく、結露対策も十分に配慮されています。以下の三重の対策が施されており、屋外環境でも安心して使用することができます。
1.内外気圧差を防ぐ機構:
装置が完全に密閉されていると、外気と内部の気圧差が生じ、その差が水分を引き込む原因となります。アムニモの機器は、内外の気圧差を作らない仕組みが実装されており、これにより不必要な水分の侵入を防ぎます。
2.回路基板のコーティング:
防水性能を備えた外装や気圧差防止機構によって保護されていますが、それでも万が一結露が発生した場合を考慮し、回路基板には特別なコーティングが施されています。このコーティングにより、結露が発生しても機器の故障や劣化を防ぐことができます。
3.回路基板の縦向き設置:
また、アムニモの屋外用IoT機器は、回路基板が縦向きに設置される設計になっています。これにより、結露が発生した際にも水滴が基板上に滞留することなく、下に流れ落ちるようになっています。
まとめ:屋外IoTシステムに最適な選択肢
アムニモの屋外用IoT機器は、防水性能に加え、結露対策として三重の機能を備えているため、屋外での運用に最適です。映像システムやIoTシステムを屋外で構築する際には、ぜひアムニモの機器を選択肢に加えていただきたいと思います。これにより、結露による不具合や故障のリスクを大幅に低減することができます。
結露対策が実装されたアムニモの屋外用デバイスは以下の通りです。
高い信頼性と運用性に優れた自社開発のIoTデバイスとクラウドサービスを組み合わせ、先進の映像・IoT・AIソリューションの提供を通じ、IoTとAIでつながる世界に貢献していきます。コラムにて定期的にお役立ち情報をお届けします。