ゲートウェイの基礎知識と活用例を詳しく解説
ゲートウェイは、近年IoTサービスの普及などに伴い、より幅広い産業で使われるようになっています。本記事はネットワークの分野では欠かせないゲートウェイの基礎知識として、その定義や機能、活用例としてIoTについて、簡単に分かりやすく解説しました。
非常に幅広い意味で用いられる「ゲートウェイ」という用語
ゲートウェイ(Gateway)とは、直訳すると「門のある道」で「玄関」や「入口」を意味する英語ですが、ITの業界においてはプロトコル(通信手段)の異なるネットワークを中継する機能や、そういった機能を持った機器そのものという、かなり幅広い意味で使われています。そのため分野によって指す対象が異なることがよくあり、例えば、ネットワークインフラにおけるゲートウェイは、異なるネットワーク間でデータを転送する装置を指します。そのなかでIoT(モノのインターネット)の業界においては、データ処理や信号処理を行う装置を指すことが多いです。このように、ゲートウェイという用語は、その使用される分野において異なる役割を果たしています。
IoTの業界でのゲートウェイの定義
IoT業界では、「IoTゲートウェイ」という名称が使用され、これには特定の機能を持った装置を意味することが多くなっています。一般的に、IoTゲートウェイと呼ばれる装置は以下の特長を持っています:
- センサーや外部機器との接続: IoTゲートウェイは、センサーやさまざまな外部機器から信号を取り込むことが可能です。
- 信号処理能力: 高い処理能力を備えたCPUを搭載し、取り込んだ信号に対してCPU上で動作するプログラムにより処理や解析を行い、結果を出力します。
- インターネット接続: モバイル通信やWi-Fiを通じてインターネットに接続し、クラウドやサーバーにデータを送信できます。
これらの特長により、IoTゲートウェイは現地のデバイスからの情報を収集し、処理後に必要な場所にデータを送信する重要な役割を担っています。
IoTゲートウェイの役割とは
IoTシステムにおいて、現地側のセンサーや機器とインターネット上のクラウドやサーバーとの間でデータをやり取りするために、IoTゲートウェイが重要な役割を果たします。ゲートウェイは現地側に設置され、センサーや外部機器から情報を取得し、そのデータを解析・加工した上で、インターネット経由でクラウドやサーバーに送信します。また逆に外部のシステムがゲートウェイで動作するプログラムと連携して現地側の装置を制御することも可能になります。このプロセスを通じて、現地で発生する状況を遠隔地で把握することが可能とするほか、外部から現地側の機器を制御することも可能になることで、IoTシステム全体の機能を高めています。
ゲートウェイとルーターはどう違うか
IoT業界では、IoTゲートウェイと似た役割を持つ「IoTルーター」もあります。両者を明確に区別する定義はありませんが、一般的には以下のような点で違いがあると言われています。
IoTルーターは、基本的にEthernet経由で外部機器と接続し、センサーからの信号を取り込むことはできないというのが一般的です。また、特別な信号処理やカスタムプログラムを実行することもできないものが多いです。一般的に言われるIoTルーターの主な役割は、物理的なインターフェースを介してIPパケットを中継することです。
一方、IoTゲートウェイは、さまざまなインターフェースで外部機器と接続でき、センサーからの信号取り込みや解析、カスタムプログラムの実行を行うことが可能です。このように、ゲートウェイはIoTシステムにおいてエッジコンピューティングを実現する重要な装置であり、現地側でのデータ処理を行う役割を果たします。
映像とAIに適用してゲートウェイが新たな用途を切り開く
従来、IoTゲートウェイは映像を処理できるほどの能力を持っていませんでしたが、最近では高性能なゲートウェイが登場し、カメラから映像を取り込み、録画や解析を行うことが可能なものも現れています。さらに、AIアクセラレータを搭載したIoTゲートウェイも登場し、映像に対するAI処理を高速で実行できるようになりました。これにより、IoTゲートウェイは従来のセンサーや外部機器から受け取ったデータの処理だけでなく、映像データの解析やAIによるリアルタイム処理など、さらに多岐にわたる用途に対応することが可能となっています。この進化により、IoTゲートウェイはますます多機能化し、新たなビジネスチャンスを生み出しています。
アムニモが販売しているIoTゲートウェイ
アムニモは自社で設計・開発したIoTゲートウェイについて、用途や設置する場所の環境に合わせた複数の機種を提供しています。以下のリンクで各機種の紹介資料をダウンロード可能ですので、詳細な内容を是非ご覧ください。
エッジゲートウェイAG10:カメラを接続しカメラから取り込んだ映像に対して各種の処理や録画を行なうことが可能な高性能のIoTゲートウェイ装置 :
屋外版エッジゲートウェイAG20:AG10の機能をそのまま踏襲し、屋外にそのまま 設置可能な耐環境性を備えた屋外対応の高性能IoTゲートウェイ装置 :
AIエッジゲートウェイAX11:AIアクセラレータを搭載し、カメラを接続し カメラから取り込んだ映像に対して録画やAI処理を行なうことが可能な映像AIゲートウェイ装置 :
屋外版AIエッジゲートウェイAX21:AIアクセラレータを搭載したゲートウェイである AX11の機能を踏襲し屋外に設置可能な環境性能を付与した製品:
高い信頼性と運用性に優れた自社開発のIoTデバイスとクラウドサービスを組み合わせ、先進の映像・IoT・AIソリューションの提供を通じ、IoTとAIでつながる世界に貢献していきます。コラムにて定期的にお役立ち情報をお届けします。