カメラ映像による人数カウントでAIを活用する方法とは

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AI画像解析技術の進歩により、AIを活用したカメラ映像による人数カウント技術が広まりつつあります。この技術により、人混みなどでも正確に人数カウントができるようになり、通行量予測や混雑状況の情報提供などに役立てることができます。本記事では、AIによる人数カウントの活用シーンや活用の際に見るべきポイント、実際の導入事例などを解説します。

人数カウントにおける課題

人数カウントは、施設や店舗の来訪者数を把握し、その増減に応じて従業員や警備員といった運営スタッフ・人員の調整を行うなど、施設や店舗の運営に役立てることのできる手法です。

 

すぐにできる人数カウントとしては、人の手で行う方法が挙げられますが、人数カウントを実施する対象範囲が広くなるほど、工数も人件費もかかります。また、人が密集した場所では正確にカウントできないことや、計測対象の施設や店舗の入り口以外で混雑が生じている場合、その混雑に気付きにくいことも課題となります。

また、従来の技術としては赤外線による通過人数センサーがありますが、出入り口などに設置した際、人が重なって通過すると正確にカウントできない課題もあります。

そこで、昨今注目を集めているのがAIによる人数カウントです。

人数カウントにおける課題解決策

前述のように、従来のカウント方法では混雑した状況で正確な人数を計測できない課題があります。一方、AIによる人数カウントの場合は、AI画像解析技術とディープラーニング推論エンジンの進化によって、カメラで撮影した映像をもとに人数をカウントでき、エリアの混雑度を可視化することが可能です。

たとえばタクシー会社においては、タクシー乗り場の状況を可視化して、HP などで情報を配信することでタクシー利用客の利便性向上を図るとともに、タクシードライバーへの情報提供を通じて需給バランスの向上を図る、といった用途が見込めます。

ほかにも、自治体や商店街が導入することで、人流を計測・分析して地域の活性化に活かすなど、さまざまな利用シーンで人数カウントは役立ちます。

AIによる人数カウントの仕組みと課題

AIによる人数カウントは、ネットワークカメラで撮影した映像や画像をAIがで解析し、一定の範囲の人数を容易に計測する仕組みです。

ネットワークカメラで撮影した映像に対し、画像解析を行うAIにて人物の全体像や頭部を検出することで、撮影した範囲に存在する人物の数や、画角内のラインを通過した人数のカウントを実現できます。

 

現状では、ネットワークカメラで撮影した映像において、人が重なってしまうと正確にカウントできないことや、人物の画像が小さくなりすぎると人として認識・カウントできないこと、またネットワークカメラの画角内に大量の人数が存在する場合、処理能力の限界により正しくカウントできないなどの課題もありますが、十分に実用的な技術レベルに達していることは事実です。

ひとくちに「AIによる映像の解析」と言っても、撮影をするカメラ、映像を記録・処理するコンピューティングリソース、画像解析をするAIモデル、通信環境など、実際のシステムには複数の要素が関わり合います。ここを考えるにあたり、近年ではAI処理をクラウド上のコンピューティングリソースではなく、現地フィールドに設置された機器で行う「エッジAI」の仕組みが注目を集めています。

アムニモでは、この「エッジAI」に最適なIoTゲートウェイ「AIエッジゲートウェイ AX11」によるAIソリューションを展開しています。アムニモのAIソリューションやエッジAIのメリットと課題については、以下で分かりやすくご紹介しています。

AIによる人数カウントの活用シーン

AIによる人数カウントの活用シーンとしては、以下の4つがあります。

交通インフラ(駅や空港、バス、タクシーなど)

駅や空港などの交通ターミナルは多くの人が行き交うため、混雑状況の把握はサービスレベル維持の観点でも重要です。

AIによる人数カウントを通じて、例えば駅の構内やホーム、空港のターミナル、バスやタクシー乗り場などの状況を可視化し、必要に応じて警備員や担当者へアラートすることで入場規制を行うなど、安全確保やサービスレベルの維持・向上に役立てることができます。また、運転士・グランドスタッフ・ドライバー等のスタッフへ情報共有することで、効率的な業務運営・運行にも貢献します。

街頭

街頭でAIによる歩行者の人数カウントを行い、その結果とイベントの開催情報や天候に関する情報などを総合することで、イベント当日にどのくらいの通行量になるか予測できるほか、イベントの効果測定にも活用できます。

イベント会場

街頭だけでなく、イベント会場内の混雑状況を可視化することで、安全確保や快適な環境維持のための人数制限をかけることができます。イベントの人気エリアなど、混雑する場所で待つ人々の数を把握した上で混雑状況を情報提供することも可能です。

飲食店・小売

イベント会場と同様に混雑状況を可視化することで、たとえばレジ待ちの人数に応じてレジの開放要請の通知や開放アナウンスを自動で流すといった施策に活用できます。

AI人数カウントをビジネスやサービスに活用する際に見るべきポイント

AIによる人数カウントを活用する際には、導入を予定する場所や業種、提供するサービスなどによっては、以下の機能があるかも確認すると良いでしょう。

年齢性別の推定ができるか

マスクや眼鏡(サングラス)を着用していると、カメラの映像だけでは年齢や性別を判別しづらくなります。そうした場合にも、人間が判定した時と同等の精度で年齢や性別の推定ができるかが重要になります。店舗や施設で導入する際には、来客者の属性推定が可能になると店舗運営に役立てることができます。

期間を指定し映像の確認や解析は可能か

いつでもリアルタイムで現場の様子を確認でき、さらに解析結果の取得期間を自由に指定可能であれば、映像の確認や解析が容易になります。

解析データやサマリーデータのダウンロードや他システムとの連携は可能か

解析データやサマリーデータを他のシステムに提供できれば、詳細かつ高度な解析を行いやすくなります。そのため、こうした連携は重要な機能の1つです。

交通量のカウントが可能か

街頭で通行量調査(人数カウント)のほか、交通量調査(車両カウント)を行っている場面を目にすることがよくあるのではないでしょうか。

交通量調査は、国や自治体が道路の計画や整備、修繕、維持・管理などを行うための基礎データを得るために行うほか、小売業や飲食業が出店計画を立てる際の参考データを集めるために行うこともあります。その場合、より詳細なデータ収集のため車両の通行量カウントと人数カウントをセットで導入するケースがあります。

AI人数カウントの導入事例

以下では、アムニモの製品を用いたAI人数カウントの実際の導入事例をご紹介します。

桜美林大学様

桜美林大学のビジネスマネジメント学群では、地域に還元できるような研究を新大久保商店街振興組合の協力を得ながら進めています。その一環として、アムニモのIoTゲートウェイとAIカメラを使って商店街の人流・属性を計測する取り組みを行い、価値のあるデータを十分に収集することに成功しました。

今後は気象データや駅利用者数のデータ、イベント情報など他のデータを組み合わせることで、有効な分析結果を導き出し、商店街の活性化につなげようとしています。

事例の詳細については以下の記事をご覧ください。

高山市様

岐阜県北部に位置する高山市では、人流計測にカメラやAIを活用することで、観光施策の効果検証や改善活動に力を入れています。

もともとは人手(目視)によって人流計測を行っていましたが、計測できる期間が限られ、比較・分析には十分なものではなかったため、人流計測としてカメラやAIの活用も進めることにしました。

市では、多くの観光客が訪れる古い町並から朝市や商店街などの周辺エリアに人の流れを「誘引」・「滞留」させ、滞留した人を商店街などの周辺エリアに「誘導」するため、「行神橋」や「飛騨高山にぎわい交流館 大政」を供用開始し、併せてその効果検証のため、アムニモのIoTゲートウェイを用いて人流計測が可能なカメラシステムを採用しました。今後は、人流の増減や属性等の集めたデータを分析・活用し、具体的な施策として落とし込み、効果的なまちづくりに繋げていくとのことです。

事例の詳細については以下の記事をご覧ください。

AI人数カウントを実現するアムニモの映像ソリューション

上記でご紹介した事例の人流計測システムには、アムニモの映像ソリューションが活用されています。

中でも、エッジAI画像解析に最適な「AIエッジゲートウェイ AX11」は、エッジによる録画やAI画像解析など同時に実現するオールインワン装置であり、低消費電力の画像AI機能を搭載しエッジAI処理を実現しています。すでに販売されているエッジゲートウェイシリーズの堅牢性や運用性はそのままに、さらに画像解析を行う各種AIモデルの実装を可能とする端末です。

カメラをAIエッジゲートウェイに接続することで、AI処理がゲートウェイ端末上で行われ、AIの処理結果のみクラウドにアップロードできます。これにより、いわゆるクラウドAIとは異なりAIによる画像解析を高速に実行できるようになります。さらに、PoEによるカメラへの電源供給や、SSDによる映像録画機能も搭載しているため、IPカメラと本ゲートウェイの2つの装置だけで、AI画像解析が組み込まれた先進的な監視カメラソリューションを容易に導入可能となります。

また、AIエッジゲートウェイ AX11は、AIチップの発熱量が低いため、動作中に高温で止まってしまうことが起こりにくく、長期利用した際の故障率の低さも特長です。そのため、例えばメンテナンスが容易ではない遠方や僻地にも設置しやすくなっています。

 

アムニモの「AIエッジゲートウェイ AX11」についての詳細は、デモンストレーション動画も合わせて以下で分かりやすくご紹介しています。

 

また、アムニモではさまざまなAIモデルを開発・提供するAIパートナー企業とも連携し、お客様に先進的な監視カメラソリューションをご提供しています。当社の映像ソリューションやAIソリューションにご興味を持たれた方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

アムニモサイト運営事務局
アムニモ株式会社は、横河電機のグループ会社です。
高い信頼性と運用性に優れた自社開発のIoTデバイスとクラウドサービスを組み合わせ、先進の映像・IoT・AIソリューションの提供を通じ、IoTとAIでつながる世界に貢献していきます。コラムにて定期的にお役立ち情報をお届けします。

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