防犯カメラシステムの「見えないコスト」を削減しながら効率化する方法とは?

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見回りや警備にかかる人件費を削減するうえで、防犯カメラシステムの導入は有効な選択肢となりますが、カメラ本体や設置費用などの導入コストのほか、さまざまな運用コストがかかります。特に運用コストは「見えないコスト」になりやすく、コスト削減のためには工夫が必要です。本記事では、防犯カメラシステムにおける「見えないコスト」を削減しつつ、効率化も実現する方法をご紹介します。

防犯カメラにかかるコスト

防犯カメラを活用していくには、大きく分けて「導入コスト」と「運用コスト」という2つのコストがかかります。

カメラ本体やシステム設計/構築/工事などの導入コスト

防犯カメラを活用していくうえでまずかかるコストは、企業が複数台のカメラを設置する場合には、カメラ本体や、その他システムに含まれるハードウェア・ソフトウェア等の購入費、システム設計や構築費、現地での設置工事費などによる初期導入コストです。
防犯カメラを導入する規模によって初期費用は異なりますが、1台のみ導入の場合でも企業向け製品の場合30万円程度かかるとされています。また、空港など重要施設で場周警戒システムを導入する場合は、機器と設置工事費まで含めて数千万円以上かかるケースもあります。

点検やデータ管理などの運用コスト

2つ目が、防犯カメラの定期点検や録画データの管理、通信料など、システム維持にかかる運用コストです。また、ここにはシステムや録画データを維持・管理する担当者の人件費も加わってきます。
これらは初期費用とは異なり「見えないコスト」と呼ばれており、気が付かないうちに運用コストが膨大になってしまっている可能性があります。

本記事では防犯カメラシステムにおける運用コストの課題に焦点を当て、IoTやクラウドなどの技術による課題解決と、業務の効率化について解説します。
次章では、防犯カメラシステムの運用コストにはどのようなものがあるのか見ていきます。

防犯カメラシステムの運用コストとは?

防犯カメラシステムの運用コストとしては、導入しているシステム特有の管理費用と保守費用があり、さらに、システムは大きく分けて2種類に分けることができます。
以降では2種類のシステムにおける運用コストの詳細を解説します。

ケース①:データを現地のストレージに保存するシステム

1つ目は、データを現地のストレージに保存するシステムです。防犯カメラにSDカードなどのストレージが活用されているタイプで、データが設置されている現地で保存されるシステムのことを指します。
このシステムのメリットとして、データ通信料がかからない点が挙げられます。しかし、録画データが防犯カメラの設置場所にあり、またカメラは人の手の届かない高所に設置されているため多くの場合、高所作業車を使ってデータの取り出しを行わなければなりません。 この場合、高所作業の資格を持つ者が作業する必要があり、防水機構の仕組みによっては装置を一度事務所に持ち帰り、SDカードを差し替えなければならない場合もあります。
加えて、カメラがフリーズしただけで現地に人を派遣する場合もあり、そのための作業者の確保や人件費も大きな負担です。

ケース②:データをクラウド上のストレージに転送するシステム

2つ目のケースは、防犯カメラが撮影した動画をクラウド上のストレージに転送し続けるシステムです。このシステムのメリットとしては、データの取り出しに対しての人件費がかからない点が挙げられます。しかし、録画データを転送し続けることによって、膨大な通信料がかかってしまいます。

通信料を抑えるために録画の画質を下げるというやり方もありますが、映像が荒くなり防犯カメラとしての役割を果たせなくなり、本末転倒になってしまう恐れがあります。

システムの維持に必要な保守料

ご紹介した2つのシステムには共通して、システム自体を維持するための保守料も必要です。システムのソフトウェアアップデートやファームウェアの更新、不具合発生時に復旧させるために人的コストがかかる場合もあります。システムの規模が大きく複雑であるほど、これらの費用は高くなります。

上記のように、防犯カメラを設置する際には「見えないコスト」である運用コストがかかってしまう点が課題です。では、運用コストを削減しつつ管理業務を効率化することは可能なのでしょうか。

運用コストを削減しながら効率化する2つの手順

運用コストを削減しながら効率化を目指すためには、新たなシステムの検討が求められますが、その際には下記のステップで行うと良いでしょう。

①:「見えないコスト」を明確にする

まず重要なことは、現状における「見えないコスト」を明確にすることです。
「見えないコスト」の多くは、人が作業することで生じる人的コストを指します。たとえば、以下のような作業が代表例です。

●映像を取得するために高所作業を行う
●カメラのフリーズから復旧させるために現地に人を派遣する
●取得した動画を提出用に加工するために長時間パソコンで作業する

これらの作業に伴うコストを明確化・可視化することで、現状のシステムと新しいシステムとの比較がしやすくなります。

②:新たなシステムを検討する

見えないコストを明確にしたうえで新たなシステムの検討に入ります。
新たなシステムとしては、高所で行っていたカメラの取り出し作業が不要になったり、フリーズからの復旧を遠隔で行えたりするような、これまで人手を介していた作業を自動化するシステムの導入が効果的です。
また、提出用の動画の加工など長時間かかっていた作業を短縮できるシステムを導入することでも、人的コストの削減や業務効率化を実現できます。

運用コストを削減しながら効率化を目指す手順を説明しましたが、その実現のためには先進的なシステムの導入も一つの選択肢となります。そこで以降では、現地のストレージ(エッジ)とクラウドの両方を活用した新たなシステムをご紹介します。

エッジとクラウドをハイブリッド活用したアムニモの映像ソリューション

アムニモが提供している映像ソリューションでは、監視カメラの統一運用が可能になります。
現地に設置したIoTゲートウェイである「エッジゲートウェイ」に内蔵されたSSDで常に録画を行い、異常検知映像など必要な情報だけをクラウドにアップロードする、エッジとクラウドをハイブリッドに活用したシステム構成となっています。また、クラウド上のアプリケーションサービスである「統合ビデオ管理システム」によって、いつでも、どこからでも、必要な人だけが、必要な映像データだけを即時に閲覧、ダウンロードすることができます。
さらに、「デバイス管理システム」によって、現場のカメラやエッジゲートウェイの死活監視や、ファームウェアの一括更新を遠隔から行うことも可能です。そのため、人件費を割くことなく、余計な通信料も発生させずに必要なタイミングで録画データの抜き取りや、システム自体の保守、運用も低コスト且つ効率的に行うことが可能です。

防犯カメラ・監視カメラは「設置・録画する時代」から「映像データを活用する時代」へ

私達の暮らしの様々な場所で利用されている防犯カメラ・監視カメラですが、抑止力として設置する時代から、映像データを活用する時代へとステージが変わってきています。
その背景には、カメラ性能(目)、インターネット・クラウド・無線通信技術(神経)、AIによる画像解析技術(脳)の飛躍的な向上があります。
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アムニモサイト運営事務局
アムニモ株式会社は、横河電機のグループ会社です。
高い信頼性と運用性に優れた自社開発のIoTデバイスとクラウドサービスを組み合わせ、先進の映像・IoT・AIソリューションの提供を通じ、IoTとAIでつながる世界に貢献していきます。コラムにて定期的にお役立ち情報をお届けします。

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