ゲートウェイの基礎知識と活用例を詳しく解説

ゲートウェイイメージ
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ゲートウェイは、近年IoTサービスの普及などに伴い、より幅広い産業で使われるようになっています。本記事はネットワークの分野では欠かせないゲートウェイの基礎知識として、その定義や機能、活用例としてIoTについて、簡単に分かりやすく解説しました。

ゲートウェイとは

ゲートウェイ(Gateway)とは、直訳すると「門のある道」で「玄関」や「入口」を意味する英語ですが、ITの分野においてはプロトコル(通信手段)の異なるネットワークを中継する機能や、そういった機能を持った機器そのものを指します。

ゲートウェイは異なるプロトコルやデータ形式によって相互通信ができないという不便を解消するための機能・機器です。その名の通り、相互通信をするために必要な、ネットワークにおける「入口(Gateway)」として捉えてください。

ゲートウェイの種類

ゲートウェイの種類として代表的な4種のゲートウェイをご紹介します。

アプリケーションゲートウェイ
アプリケーションゲートウェイとは、NATあるいはファイアウォール技術の一つで、ネットワークの中継装置です。ゲートウェイ上で、アプリケーションレベルのフィルタリングを行い、データを中継します。これにより、アプリケーション層にあるプロトコルの制御情報を読み取り、転送動作の挙動に反映させます。

ホームゲートウェイ
ホームゲートウェイとは、光電話や光テレビに対応した光回線で用いられるデバイスです。光ファイバーで伝わる光信号をデジタル信号に変換し、各端末でのインターネット接続を可能にします。
以前は光電話専用の機器として単体で用意されていました。最近ではONUやLANルーターとの一体型が普及しています。

VoIPゲートウェイ
VoIPゲートウェイとは、アナログ電話機とインターネット回線を接続するための装置です。電話回線とインターネット回線(IPネットワーク)を中継して異なる通信規格のネットワーク間での通信を可能にし、どちらの回線でも通話できるようにします。

インターネットゲートウェイ
インターネットゲートウェイとは、内部のネットワークから外部のインターネットに接続し、インターネット経由で外部環境と相互に通信するゲートウェイです。

ゲートウェイとルーターの違い

ゲートウェイと同様に、インターネットの通信を中継する機器としては「ルーター」といったものもあります。英語の「ルーター=Router」は「彫刻工具」を意味しますが、IT分野においてはゲートウェイとルーターはどちらもネットワークを中継する機器を指すので、ほぼ同じ意味で使われるケースも多いです。

違いとしては、ゲートウェイは規格の異なるネットワークを中継する機能そのものや、そういった機能を持つ機器全般をさすのに対し、ルーターは一般的に、ネットワークの規格の中でも、OSI参照モデルにおける第3層「ネットワーク層」において、IPアドレスに基づきデータ中継を行う機器になります。

大まかに言うと、ゲートウェイは「ネットワークを中継する機能」または「ネットワークを中継する機器」、どちらの意味合いでも使われます。ルーターはその中でも「IPアドレスに基づきネットワークを中継する機器」をさします。

ゲートウェイはより広い意味で使われることもある単語で、ルーターはゲートウェイの一種であることをまずはおさえておきましょう。

ゲートウェイを設置する目的

ゲートウェイは円滑な相互通信を実現する目的で設置されます。ネットワークにおいて、プロトコルやデータ形式が異なる場合、相互に通信を行なうことはできません。そこで、ゲートウェイを通して通信プロトコルの変換・中継を行ないます。全てのデバイスのデータが、そのままの形でクラウドに送られないため通信負荷も減らせます。また、さまざまなデバイスや機器からデータを集約し、管理の手間を削減できます。

ゲートウェイは、センサーや制御機器から得られるデータを収集し、クラウドや中央のシステムなどに転送する役割も果たします。これにより、モノの管理、制御をPCやスマートフォンなどの端末から遠隔で行うことが出来るようになります。

さらに、ゲートウェイは、デバイスの管理や制御も行えます。これにより、データが正しく送られてきているか、デバイスの稼働状況を確認できます。

ゲートウェイを設置するメリット

ゲートウェイはセンサーによって収集したデータをサーバーに送信します。サーバー側でデータの分析・解析を行うことで、品質に関する異常やトラブルの兆候を検知できます。

また、ゲートウェイを活用しデータを集約することでアプリやソフトウェアを使用することにより作業ステップごとの処理時間や停止時間を分析できます。
セキュリティ対策が施されたIoTゲートウェイを使用すれば、全てのIoTデバイスに対するセキュリティ対策が一元的に可能になります。

ゲートウェイの活用例

ゲートウェイが使用されている身近な例としては、例えば家庭に設置されているWi-Fiルーターもゲートウェイの一種です。スマホやパソコンなどの端末は、Wi-Fiルーターを中継器として外のインターネットへ接続することで、Webサイトの閲覧などが可能になります。この際、Wi-Fiルーターは、パソコンなどの端末と外のネットワークとの中継を行うので「ゲートウェイ」として捉えることができます。

また、企業においても多くの場合、社内ネットワークと社外ネットワークを中継する「ゲートウェイ」が設置されています。特に企業においては、多くの従業員のパソコンがインターネットにつながるなど、大容量のデータを通信することも多く、ゲートウェイがいかに素早くネットワークの中継処理を行えるのかが重要です。

ゲートウェイの重要性

ゲートウェイはネットワークシステムにおいて欠かせない存在です。ゲートウェイとは、「プロトコル(通信手段)の異なるネットワークを中継する機能」と説明しましたが、プロトコルとは通信の規格であり、例えるならば「言語」です。たくさんの言語が存在する中で、例えば日本語と英語では意思疎通は測れないので「通訳」が必要となります。この通訳の役割を果たしているのがゲートウェイで、ITにおいては様々な言語、つまりプロトコルが存在するので、通訳の役割を果たすゲートウェイが必要不可欠になってきます。

また、ゲートウェイが重要となってくる理由として「インターネットの安定性」が挙げられます。異なる通信のプロトコル(規格)同士の通信においては通信が不能であり、ゲートウェイの品質が通信速度や接続不良に影響してくるためです。より良いゲートウェイやルーターのシステムを活用することで、社内外へのインターネット通信がストレスなく円滑に運ぶようになり、仕事の能率も向上することでしょう。

さらに、ゲートウェイはセキュリティという観点でも重要な役割を果たします。例えば企業のネットワークシステムにおいて、ゲートウェイは社外ネットワークと社内ネットワークの中継器として機能しますが、ここで社外からのハッキングやサイバー攻撃をシャットアウトできれば、社内ネットワークにあるデータや端末に被害が及びません。このような設定をゲートウェイに行っておくことで、外部からの攻撃を未然に防ぐことが可能となり、セキュリティ面での精度がより高まります。

ゲートウェイの接続方法

ゲートウェイを企業に導入する際、大抵の場合数多くのデバイスに接続するため、大がかりな配線工事が必要な有線ではなく、Wi-FiやBluetooth、ZigBeeなどの無線方式での接続が一般的です。また、1台のゲートウェイ機器で全てのデバイスがカバーできないケースも多いので、ゲートウェイを複数台設置するルーターなどを中継器として活用するなどの対応が必要です。

デバイスとの接続は無線ですが、ゲートウェイ機器をインターネットに接続するには、安定性を優先させて有線による接続を行うケースが多いです。

ただし、有線でのインターネット接続が適切でないケースもあります。有線のインターネット環境の準備には大きなコストがかかるため、屋外などでは利用できない場合も多いでしょう。そのような場合には、LTEや4Gなどモバイル通信に対応したゲートウェイやルーターを使いましょう。

IoTとゲートウェイ

ここまで、ゲートウェイの定義について説明しましたが、ゲートウェイの活用例として現在注目が集まっている「IoT」との関わりについて説明します。

IoTとは「モノのインターネット」を意味する”Internet of Things”の頭文字をとったIT用語です。従来、インターネットにつながっていなかったような様々なモノがインターネットにつながることを表します。IoTにより、離れた場所からでも機械などの状態把握や、クラウドなどに蓄積されたデータの分析・活用が簡単にできるようになるため、幅広い産業分野で普及が進んでいます。

IoTにおいて、ゲートウェイは非常に重要な役割を果たします。なぜならば、たいていの場合、センサーやデバイスなどの「モノ」はゲートウェイを中継器とすることで、インターネットに接続されるケースが多いためです。特に数多くの「モノ」をインターネットに接続するIoTでは、ゲートウェイが単なる中継器としての役割だけでなく、データをある程度集約・処理を行う機能も持つことで、より効率的なIoTシステムを実現することができます。

IoTが切り拓く未来

IoTは、遠隔地にいながら「モノを操作する」「モノの状態を察知する」「モノ同士で通信する」ことができるという、まさに21世紀型の通信システムです。

IoTサービスが導入された職場では、あらゆる「モノ」に装着されたセンサーがインターネットを介して情報を伝達することが可能となり利便性が向上します。

たとえば、工場内の温湿度管理や機械の不具合などをいち早くキャッチし、すばやく適切に対応できるようになることでしょう。また、一般家庭ではペットの首輪から体調管理をしたり、防犯にも役立てたりすることが可能です。

IoTゲートウェイを業務にどう生かすか

IoTは、今後多種多様な業界・業種に導入され、活用されると予想されます。以下のような業務に応用が可能です。

  • 消費電力量の表示・データ通知機能
  • 遠隔地からの機器類操作機能
  • 遠隔地からの温湿度管理と電源操作機能

すなわち「モノ」が発信する情報を遠隔地からキャッチし、機器類の適切な操作によって「時間」と「人件費」の大幅な節約が実現されます。

IoTの登場と、そのシステムの発展によって、我々の社会は飛躍的に利便性が向上し、IoTは今後もさらに技術革新が進むことが予想されています。多くのIoTシステムで使われるゲートウェイは、今後もより幅広い産業で浸透していくことでしょう。

まとめ

監視カメラシステムを正常に安定運用するには、死活監視の機能を持つことは必要不可欠です。同時に、死活監視の機能を実現するには、堅牢でセキュリティにも優れ、多彩な機能を備えた産業用のゲートウェイ・ルーターが欠かせません。クラウドアプリケーションなども活用することで、その機能をより高めることもできます。今後、監視カメラの活用範囲はさらに拡大していくと予想されます。死活監視や、それを支える様々な機能や製品、アプリケーションを有効活用し、運用コストやメンテナンス費用を抑えた監視カメラシステムを構築してください。

以下の資料では、エッジゲートウェイ(屋内版)について詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

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