太陽光発電施設の盗難対策の課題と解決策とは?監視カメラの導入ポイントをご紹介
大規模な太陽光発電施設が全国的に増えており、それに伴い太陽光パネルや送電用の銅線ケーブル等の盗難対策も求められています。そこで役立つのが監視カメラシステムの導入ですが、広範囲にカメラを設置し、維持管理する費用や手間が課題となります。本記事では、太陽光発電施設での盗難対策で知っておきたい、監視カメラの導入ポイントを解説します。
太陽光発電普及の背景や環境
近年、太陽光発電施設が普及しており、産業用だけでなく、個人宅にも太陽光パネルが設置されている光景を目にする機会が増えています。 その主な理由は、環境問題への意識の高まりです。環境意識が高まっている背景には国際的な公約の存在があり、たとえばCOP26のグラスゴー気候合意において、日本は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しており、温室効果ガスを2030年までに2013年度比46%削減を表明しています。また、2023年6月現在1,000弱の自治体が、2050年に二酸化炭素実質排出量ゼロに取り組むことを表明する「2050年ゼロカーボンシティ表明」を行っています。 このような脱炭素社会実現に向けた社会変革の動きを「GX」(グリーン・トランスフォーメーション)と言います。
SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を達成するために、世界各国で力を入れているものが再生可能エネルギーであり、CO₂を排出しない太陽光発電が注目を浴びています。
太陽光発電のメリットは、常に太陽からエネルギーが供給されて枯渇することがないことです。他の発電方法の多くは燃料が必要ですが、太陽光は太陽が光を放っている間エネルギーが蓄積されるため、燃料が不要です。
また、火力発電などでは環境に影響を与える汚染物質が発生しますが、太陽光はクリーンなエネルギーであり、電力を生み出す際に有害な物質を排出しません。さらに、太陽光発電は日射量が確保できる発電に適した場所が国内に多く存在しており、他の発電方式に比べて建設場所の制限が非常に少ないと言えます。このように、エネルギーの供給源、環境面、土地の面から導入が容易な発電システムだと言えます。
一方、2017年4月からの改正FIT法で、FIT制度(固定価格買取制度)を適用している太陽光発電施設と、50kW以上の発電設備のメンテナンスが義務化されるなど、太陽光発電の普及に伴う法整備も進んでいます。
この改正FIT法に伴う太陽光発電のメンテナンスについては、以下記事をご覧ください。
カーボンニュートラルやSDGs、GXが叫ばれる中で普及している太陽光発電ですが、近年は盗難対策のための監視カメラの導入が増えています。次章では、太陽光発電施設における監視カメラの役割をご紹介します。
太陽光発電施設における監視カメラの役割
太陽光発電施設の中で 、太陽光パネルや送電用のケーブル は盗難のリスクがあります。特に、ケーブルに使用されている銅線は高品質で換金しやすいため、盗難被害が多くみられます。このような盗難への対策として注目を集めているのが、現地の太陽光発電施設に監視カメラを設置することです。
監視カメラは、盗難の抑止力となり、万が一盗難が発生した場合でも犯人を特定するのに役立つほか、太陽光発電設備の故障を早期に発見し被害を最小化するのにも役立ちます。盗難被害にあった際には、警察への捜査依頼や、保険会社への保険適用申請のための証跡として録画データが必要になるケースもあるなど、監視カメラには多くの重要な役割があります。
では、実際に監視カメラを導入する際にはどのような点に留意すれば良いのでしょうか。
太陽光発電施設の盗難対策における課題
以降では、太陽光発電施設の盗難対策における課題についてご紹介します。
①:カメラを設置する場所が屋外もしくは屋外と同等の温度条件である
盗難対策として監視カメラを設置するケースが多くあります。しかし、監視カメラの設置箇所が屋外の場合、監視カメラ本体や周辺機器に耐久性が無いと、日差しによって監視カメラ本体と周辺機器が高温になることでデバイスが正常に起動しない、頻繁に停止してしまうなどの障害が発生します。
また、屋外と同等の温度条件になる環境下の場合でも、屋外の場合と同じように障害が発生することがあります。
②:通信条件があまり良くない
太陽光発電施設は、主に住宅街から離れた広大な土地や山間部などに設置されています。そのため、モバイル通信がぎりぎり届く範囲でも通信環境が不安定なことや、そもそも圏外で通信品質が悪い点が挙げられます。
③:周囲に民家など建物が少なく、暗い場所に施設がある
前述にあるように、太陽光発電施設は、住宅街から離れた山間部といった広大な土地にあるケースが多く、施設周辺には街灯が少ないことが挙げられます。周辺に光源がなく夜間には真っ暗になる場所で広範囲の映像を撮影するには、カメラに要求される性能が非常に高いものになり、カメラの選択が難しくなります。
次章では、上記の課題を解決する方法についてご紹介します。
太陽光発電施設の盗難対策に伴う課題の解決方法
前章では太陽光発電施設の盗難対策における課題をご紹介しましたが、本章ではこの課題をどのように解決すればいいのかを、アムニモのサービスで実現できることとともにご紹介します。
①:耐環境性の高い装置を使用する
解決方法の1つ目として、監視カメラの運用に必要となるPoE給電装置、録画装置・通信機器に関して、機能が集約されており、耐環境性の高い装置を使用することが挙げられます。耐環境性の高い装置を使用することで、過酷な環境下でも広い動作温度範囲で監視カメラを停止することなく利用することができます。
②:複数のモバイルキャリアのネットワークが利用できる
解決方法の2つ目として、複数のモバイルキャリアのネットワークが利用できて、電界強度が良くない場所でも通信を利用できる機会をできる限り確保できるような通信機を使用することです。モバイル通信が全く使用できない場合には、衛星通信を使用して録画データを送信することもあります。
③:サーモカメラや暗視カメラを利用して暗所での撮影を可能にする
解決方法の3つ目として、サーモカメラや暗視カメラを利用することです。サーモカメラや暗視カメラを利用することで、照明がほとんどない屋外の場所でも侵入者を撮影することが可能です。
次章では、太陽光発電所に適した「映像ソリューション」についてご紹介します。
太陽光発電施設に適した「映像ソリューション」
アムニモの「映像ソリューション」は、人の立ち入りが困難で電圧が不安定な環境下でも24時間365日止まることがない遠隔監視を実現します。
広範囲に設置された設備・機器を監視カメラで遠隔監視することで、本稿でご紹介した盗難対策などの防犯のみならず、日々の定期点検・設備メンテナンスや巡回業務にも活用できます。分散した映像データに加えて、PLC・センサーデータを連携し、これらを統合的に監視することも可能です。こうした機能により、太陽光発電施設での監視業務を大きく効率化し、セキュリティのレベルを高めることができます。
防犯カメラ・監視カメラは「設置・録画する時代」から「映像データを活用する時代」へ
私達の暮らしの様々な場所で利用されている防犯カメラ・監視カメラですが、抑止力として設置する時代から、映像データを活用する時代へとステージが変わってきています。
その背景には、カメラ性能(目)、インターネット・クラウド・無線通信技術(神経)、AIによる画像解析技術(脳)の飛躍的な向上があります。
アムニモは、過酷な環境にも耐え得るIoTゲートウェイ/ルーターと、IoT及びカメラ運用に最適なクラウドサービスを組み合わせた映像ソリューションを、24時間365 日、止まることが許されないカメラ運用を行う様々な業種の現場にご提供しています。
「欲しい映像を欲しい時に、欲しい人がリアルタイムで見られるカメラシステム」、「AI画像解析や他システムとの連携もできるカメラシステム」をお考えのお客様にとって、アムニモは最適な選択肢になります。
アムニモの「映像ソリューション」についてご興味のある方は以下をご覧ください。また、サービスに関するお問い合わせやご相談は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
高い信頼性と運用性に優れた自社開発のIoTデバイスとクラウドサービスを組み合わせ、先進の映像・IoT・AIソリューションの提供を通じ、IoTとAIでつながる世界に貢献していきます。コラムにて定期的にお役立ち情報をお届けします。