アムニモ株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:中林千晴、以下アムニモ)は、低消費電力のAIアクセラレータチップを搭載したAIエッジゲートウェイAX11を3月5日より発売いたします。AX11は、ルネサスエレクトロニクス株式会社が製造するAIアクセラレータ―搭載マイクロプロセッサであるRZ/V2MAをメインのプロセッサとして実装することにより、高速のAI処理を実行しながら発熱量が少なく安定した動作が期待できることから、エッジAIの実ビジネスでの利用を大きく進展させるデバイスです。
【AIエッジゲートウェイAX11の特長】
○低消費電力で高速なAI処理の実行が可能なAIアクセラレータ―である「DRP-AI」を搭載したRZ/V2MAをメインチップとして使用しており、高い温度の発熱を伴わずに高速なAI処理が可能
○4つのEthernetポートにおいてPoEでの電力供給を可能としておりIPカメラへの給電が可能
○高機能なVMSであるNxWitnessをプレインストールしており、映像の録画やAIと連動した各種の映像関連の処理を実行可能(NxWitnessを利用するためにはライセンスの購入が必要です。)
○複数SIMカードを搭載することが可能で通信キャリアの障害時に短時間で通信を復旧することが可能
○瞬停対策として大容量キャパシタを搭載することで、外部電源が遮断された後も数十秒間アプリケーションを継続して動作させることが可能であるため、不安定な電源の場所でも停止時間の少ない運用を実現。また、外部電源遮断の際にはデバイス管理システムに対してアラームを送信することが可能
○アムニモが提供する映像サービスである『統合ビデオ管理システム』が利用可能で、AIによって生成したアラート信号を『統合ビデオ管理システム』でハンドリングすることが可能
【AIエッジゲートウェイAX11の機能について】
・AIアクセラレーター『DRP-AI』にて高速なAI処理を低消費電力で実行可能
・Arm Cortex-A53で動作するUbuntu 20.04のOS上に、AI処理を制御する独自アプリを開発可能
・高機能なVMS(ビデオマネジメントシステム)であるNetwork Optix社製のNxWitnessをプレインストール
・アムニモが提供するクラウド映像サービスである「統合ビデオ管理システム」と連携可能
・4ポートのPoE給電(IEEE802.3at準拠。合計40Wの出力)
・最大2TB(標準は512GB)のSSDを搭載可能で、カメラで撮影した映像の録画が可能(2TBのSSDを用いて、フルHDで30FPSの映像をH.264により1.5Mbpsで記録した場合、約100日分の映像を録画することが可能。)
・国内の携帯電話事業者各社との接続性が確保されたLTE通信機能を実装
・複数SIMカードを搭載しネットワーク障害時には自動切り替えが可能
・瞬停対策機能を実装し、短期間の外部電源遮断であればUbuntuやAIアクセラレータ上のプロセスは継続動作が可能
・DIOポートとして、4つのDIポートと2つのDOポートを実装し、外部機器からのアラートの取込みや現地での警報出力が可能
・USBおよびRS485(半二重)のポートを実装し、現地機器との接続が可能
・-20~60℃の広範囲な動作温度条件
図2:AIエッジゲートウェイAX11の外観
【AIアプリケーションの開発・運用のサポートについて】
アムニモは、AIエッジゲートウェイAX11で動作するAIアプリケーションの開発を希望する企業に対して、AIパートナープログラムを用意しており、プログラムの会員に対して技術情報を提供するほか開発用サンプル機の貸し出しも行っております。AIロジックの開発者は、ONNX形式で作成されたAIロジックに対してAIパートナープログラムで提供されるコンバーターにてAX11で動作することが可能な形式に変換することが可能です。またAIロジック実行の制御や認識結果の処理を行なう部分のアプリケーションは、AX11のUbuntuOS上のアプリケーションとして実装される必要がありますが、このアプリケーション開発のためのサポート情報の提供もAIパートナープログラムにて実施しています。
また、アムニモはAX11がフィールドに設置された後のフェーズにおいてもAIロジックの更新を可能とするため、クラウド経由でAIアプリケーションを更新する仕組みを『AIプラットフォーム』というクラウドサービスとして提供します。本機能をご利用いただくことにより、AIによる解析機能を継続的に追加・改善していくことが可能となり、AX11を用いて構築されたAIシステムを長期的に運用していくことが可能となります。
【AX11で動作するAIアプリケーションについて】
AIパートナープログラムは、既に10社以上の企業が入会しており、いくつかの会社はAX11で動くレベルまで開発を進めております。アムニモは、今後もより多くのAIアプリケーションがAX11向けに提供されることを目指し、AI技術を持つ企業への働きかけを継続していきます。
また、DRP-AIの開発元であるルネサスエレクトロニクス株式会社は、RZ/Vシリーズチップ上で動作するAIアプリケーションを自社で開発し、Githubにて公開※しています。これらのAIアプリケーションは、元となるAIロジックや学習に使用した映像データはライセンスフリーのものを使用しており、AIアプリケーション自体がライセンスフリーで利用できるものとなっています。これらのAIアプリケーションは、ハードウェア構成の違いを補正するためのカスタマイズは必要になりますが、わずかな開発でAX11上で動作するように改変することが可能であり、AX11を用いたAIシステムの実現を低コストで短期間に実現することに役立つものとなっています。
アムニモでは、高速なAI処理を低消費電力で実行することができ、映像システムとの連携が可能で、高い信頼性で動作するAIエッジゲートウェイAX11の登場により、エッジAIの普及が加速することを期待しています。
本製品につきましては、2024年3月下旬より出荷を開始します。また、アムニモ株式会社では、3月12日(火)~15日(金)に東京ビッグサイトで開催される『SECURITY SHOW 2024』にて、本製品を展示する予定です。
※Githubにて公開されているRZ/Vシリーズ用のAIアプリケーションは以下のURLにて掲示されています。
https://renesas-rz.github.io/rzv_ai_sdk/2.10/#ai-applications
アムニモ株式会社は、さまざまなタイプのIoTデバイスとユーザーの業務プロセスを効率化するクラウドサービスを提供することにより、IoTによってつながる世界の実現を目指します。
アムニモ株式会社 広報 担当:和田
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